b7dd4223.JPG弊社のお客様で、今年3月、QE2で横浜からシンガポールまで行かれたご夫婦がいらっしゃいました。ご主人は、80歳で肺がんをわずらっており、ご予約の時点からもしかしたら、急遽行けなくなることもあるため、クルーズ保険にも加入をされた。
3月6日、無事ご夫婦を乗せてQE2は横浜を出港。大阪、上海、香港、ベトナム、バンコクを経てシンガポールまでQE2の船旅を楽しまれた。ご帰国後、ご主人の体調が悪化し入院、そして5月。。。
昨日、銀座で彼を偲ぶ会が開かれ、旧制高校の同級生など多数集まる中、奥様の依頼で私も参加させていただいた。私は奥様に「何をしゃべればいいですか?」とたずねると「QE2での船旅について語ってほしい」とのこと。その意味が最初は理解できなかった。しかし会が始まるとその理由がわかってきた。彼を惜しむ旧友のスピーチ、何人かのスピーチにクイーンエリザベス2の言葉が。つまり彼はQE2に乗ることを楽しそうに旧友に語っていたのだ。そして病床で、QE2での写真を看護婦さんたちに見せてあげていた。80年の人生の最後の1年で乗船したQE2の旅が、彼の人生に大きな花を開かせたのだ。会場のひな壇には、思い出の写真が並べられていたのだが、その中にQE2のキャプテンとの記念撮影の写真があった。白い蝶ネクタイの彼、その傍らにやさしく寄り添う奥様。彼らの2倍はあろうかという身長の大柄なキャプテン。キュナードの写真フレームに飾られたその一枚の写真はとてもすばらしいものだった。スピーチが私に回ってきたとき、彼の大航海に携われたことを誇りに思い、いつか彼の航跡を皆さんも辿っていただきたいとお話をさせていただいた。
そこでこの記事のタイトル。 彼はお墓の中にはいないでしょう。 きっと今もQE2で航海中でしょう。