84fd852f.jpgパリのポナンクルーズオフィスでの打ち合わせは夕方にまでおよんだ。話し合っていくうちに、このクルーズ会社の本質的な部分がより理解でき、日本マーケットでのイメージ戦略についてもいろいろろアイデアが浮かんできた。
最近のクルーズ船は大型化の一途。小さくても10万トンという変な時代になった。
それは、なぜか? 答えは簡単。大きい船をたくさん作ったほうが儲かるからだ。
そんな中、90人のクルーズ船を運航するその意図はどこに?
私は、フランスのことがわかってないのだと思う。もっとフランス人を理解しなければならない。フランスにはぜったいに譲れない、とても大切にしている”何か”があるように思える。パリの街には24時間営業のコンビニがない。みな食事は朝昼夜、それぞれの時間にきっちりと食べる。それ以外の時間は街に出ても食べ物にありつけない。ディナーは、家族や友と語らいながら、じっくりと時間をかけていただく。作る方も手間ひまかけて作る。ホテルの朝の朝食、手搾りのオレンジジュースのなんとおいしいこと。暖かい焼きたてのクロワッサン。薫り高いコーヒー。ビュッフェではないから、そんなおいしいジュースもグラス一杯しかいただけない。とても丁寧に味わって飲んだ。”食べ放題”という文化自体が食べ物を冒とくしているのかも。長時間のミーティングの後、シャンゼリゼ通りのさほど高級ではないお店に入った。前菜にウサギのテリーヌ、メインに地鶏のグリルを注文したが、前菜は冷たく、メインは熱々のお皿で持ってくる。フランスパンとグラスのシャンペンをいただけばもう絶品の格安ディナーとなる。日本だとフレンチを食べるというとちょっと特別な感じだが、パリではこんなふうにどこでも気軽に食べられる。そしてその気軽に食べるフレンチのクオリティがすごい。そのことに驚いてしまう。フランス人は、食べ物、そして食べることをとても大切にしている。この点は見習いたいと思う。
ポナンクルーズとは、水で薄めたようなまずいジュースが飲み放題ではなく、手搾りのおいしい一杯のオレンジジュースをお客様に差し出す船会社だ。それは、たった90人の船客にだからこそできるサービスである。
フランスにはこんな極上の船旅を楽しんでいる一握りの人達がいる。
このクオリティ、心地よさ、快適さ、贅沢さを何としても日本に持ち帰って広めてゆきたい。今はその思いでいっぱいなのです。