a663bb0a.jpgこのQE2大西洋横断のブログは、業界の方も多数読んでいただいてるようで、大変驚いてます。楽しんでいただければ幸いです。

10月15日
QE2は、カナダのハリファックス沖を通過、ニューヨークへはQE2の快速を持ってすれば余裕の距離。海は驚くほど静か、べたなぎの海と空はモノトーン。そのシルバーの海をQE2はすべるように航行してゆく。連日の高速航行が続いたが、この日はある意味”クルージング”状態だ。
今日は買い忘れがないかブックショップへと行く。また数冊の本を買い求める。ランチはリドで。この日の日本食はとんかつ&すしと聞いて注文。久しぶりの日本食、やっぱりうれしいもの。
最終日、悲しくも時間はどんどん過ぎてゆく。陸はまったく見えず、遠くに貨物船らしき船が1隻だけ見える。
4:30PM、タンデム走行最高のサプライズが訪れる。
QE2,QM2は、その距離600ヤードとこの航海中もっとも接近する。こちらからは、QM2のボートデッキに人が鈴なりになっているのが、はっきりと見てとれる。当り前なのだが我々は美しいQE2の航行姿を見ることができない。彼らは本当に幸せである。
お互いが汽笛を鳴らしあい、ニューヨークへの残りの航海の無事を祈る。その度にお互いの船の船客から大きな歓声が上がる。
QM2は、船首から発生する白波がきれいに後方へ流れてゆく。
姉妹船のない船、QM2。今では珍しいが昔はほとんどがオンリーワンだった。ただ、船の容姿はずいぶんと変わった。シアーが効いて船体に丸窓が何階層にも並び、その上にボートが並ぶのがオールドスタイル。最近の船はキャビンを極力上層階に配置し、そのほとんどがバルコニー付。QM2は黒塗りの主船体部分だけでも相当な高さがあり、その部分、つまりボートデッキの下にも3階層にわたりバルコニー付キャビンが配置されている。海洋条件の厳しい大西洋を主要航路としながらも、現代のニーズを取り入れた設計がなされている。ただ、ハウス部分にバルコニーキャビンを積み上げすぎて、煙突とマストが極端に短く均整を損なっている感がある。それでも船首、船尾部分のデザインは、かなり贅沢な造りをしている。
19:30最後のディナーへ。フィリピン人のキャビンスチュワーデスにも最後の挨拶。ディナーの前にクリスタルバーへ立ち寄る。今日はここは大盛況。ピアノの音がかき消されるほどに会話が弾んでいる。
20:30モーレタニアレストラン。我々のテーブルはウェイター、アシスタントウェイター、そしてワインソムリエがサーブする。この日はマイケル氏から我々テーブルメイトへシャンペンのサービス。陽気だけど気配りの人だ。すでにリタイアしているが、現役時代は30人近くの従業員を抱える会社を経営していて、とても多忙だったらしい。「従業員が30人いれば、毎日30個のトラブルがあるものさ」と言っていた。この日、メインディッシュにストリップローインステーキを選んだが、熱した皿をまずテーブルに置き、シルバーのプレートから船客一人ずつに肉と取り合わせの野菜が盛り付けられる。オールドスタイルのサービス。いいじゃないか、オールドスタイルで。終わってみれば、味、サービスともに素晴らしいディナーであった。テーブルの皆さんは、下船後NYに滞在したり、その後ワシントンやチャールストンへ行きドライブを楽しむ人もいる。我々のつたない英語にもつきあってくださり、おかげで楽しく過ごさせていただいた。
今回の大西洋横断、毎晩ディナーのメニューはカラーの立派な特別版が製作されていて、表紙を毎日懐かしい写真が飾っている。1982年フォークランド紛争へ駆り出された時の姿、進水式の貴重な写真、ちょっとなつかしいQE2のロゴ、そして今夜は1972年に初めてNYに入港したときの写真。TIME TO SAY GOODBYEの言葉を添えて。このメモリアルな船旅をキュナードは目一杯のサービスで盛り上げてくれた。
明日のスケジュールが発表された。
4:00AM ベラザノブリッジ通過。QM2が先を行く。
4:20AM QM2はブルックリンターミナルへ向かう。
4:30AM QE2、自由の女神を通過
6:00AM QE2、マンハッタン、ピア88へ入港。