日曜日に仕事をしなければならない、野暮なことです。
12月決算の当社は法人、個人の確定申告が重なります。
さらに、雑誌「パーフェクトボート」次号の校正など、平日の忙殺の中では出来ないことが時としてあります。
吉行淳之介だったか、煙草屋までの旅というエッセーに触れた時、「そうそう、これが言いたかったんだ。」と常日頃思っていたことをすごく的を得た表現にしてくれていてうれしかったことがある。
仕事柄なのか、時々「いつも船に乗れていいですねぇ。」と言われることがある。
実はそうでもない。確かに年に何回か幸せな船旅に出かける。しかし365日のうちの大半は、横浜の事務所で仕事をする。言わば地味な毎日が続く。
でもやっぱり気分転換もしたいし、正直遊びたい。
仕事終わりは、ほぼ毎日お湯に行く。銭湯だったり、ちょいいいお湯だったり。昨晩は、いつもと同じじゃつまらないと、初めての湯につかった。寒中の露天風呂がなかなかよかった。
毎朝、仕事前、近所の珈琲屋に出向く。みなとみらいという無機質な土地柄、新聞や週刊誌が常備された味のある喫茶店はない。仕方なくコンビニで新聞を買い、珈琲屋へ。その珈琲屋への道、わずか数十メートルを少し道を変えたり、店を変えたりする。そこにいつもと違う変化があったりする。知らないうちに新しい店がオープンしていたり。作家という独特な嗅覚を持つ吉行淳之介は、煙草屋までのわずか数十メートルにいろいろと感じ取ったのだろう。
サラリーマン時代、平凡なサラリーマンは嫌だと思い、海に近い町に住んでみようと、稲村ガ崎に数年住んでみた。とある夏、東京の会社まで行く気になれず、仕事をサボって、稲村の海岸で存分に泳いだ。次の日、思いっきり日焼けしていて、上司にすっごい怒られた。
またサラリーマン時代、そんなに長い休みも取れず、やりくりして旅に出た。
短いながらも少しでも長く旅に出たい、すると仕事終わりに成田から乗れる飛行機のことにかなり詳しくなった。
アジア各地ならユナイテッドかノースウェストの夜便、北米ならエアカナダのバンクーバー行き19時発、パリならエールフランスの22:30発、よくお世話になった。それらにぎりぎり間に合う成田エキスプレスに、よく東京駅から飛び乗った。
今、当社のお客様にも同じ現役世代の方がいて、短いクルーズに弾丸スケジュールでいらっしゃる方がいる。その気持ちがすごくわかるし、サラリーマン時代の知識(=仕事終わりに乗れる飛行機)が役に立っている。
うなるほど金があって、365日船に乗れたとして、はたして幸せか?
地味な毎日を実直に仕事して、日々の生活をやりくりして旅行代を貯めて、サラリーマンならちょっと長い休暇を取ろうものなら嫌な上司にぐちゃぐちゃ嫌味を言われながらも、やっとの思いでギャングウェイを渡る船旅にこそ、数倍の価値があるのではないだろうか?
その先には、ロイヤルカリビアンだ、ホーランドだ、セレブリティだと、超浮世離れした至極のクルーズが待っている。